物流倉庫とは?まず知っておきたい基礎知識を解説
物流倉庫とは?まず知っておきたい基礎知識を解説
インターネット通販の普及を背景に、倉庫需要は増加傾向にあります。
自社倉庫を持つ企業もありますが、最近では自社倉庫と比較しコストパフォーマンスに優れていることが多い貸倉庫や、物流倉庫の利用をする企業が非常に増えています。
今回は物流倉庫について解説します。
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「貸倉庫」の種類についてもこちらで解説しています。
「貸倉庫」の運用をご検討される場合は、併せて参考にしてください。
1.物流倉庫とは?貸倉庫との違いは?
「貸倉庫」とは、倉庫や場所全体を貸し出すサービスのことです。
住宅などを借りる時と同じように、賃貸借契約を結ぶのも特徴です。
一方で、「物流倉庫」は保管場所だけではなく、入庫から流通加工、出荷までの全般的なサービスを提供することがメインとなります。
【物流倉庫で行われる業務内容】
・入庫
倉庫に商品を入れる際に、個数や中身について点検を行ってくれるサービスです。
業者によっては、不良品の返品業務を行ってくれる場合もあります。
・棚入れ
商品を特定の場所に収納するサービスの事です。
品質を保てるように適切な振り分けをします。
・保管
倉庫全体の保安・管理をするサービスです。
・出庫準備
特定の商品が必要となった際に、倉庫内から取り出して準備をします。
・流通加工
タグ貼付・シール貼付・異物検査・袋詰め・箱詰め・伝票封入等のサービスの事です。
・出庫
配送が出来るように商品を倉庫の外に出し、業者に引き渡すサービスです。
※上記はくまでも典型例です。
実際にどのようなサービスを行ってくれるかは、業者によっても異なります。
2.物流倉庫のメリット・デメリット
【メリット】
・コストダウン
物流倉庫の最大のメリットといえば、コストダウンになります。
理由としては、自社倉庫を用意するとなれば倉庫を入手するために大幅な費用が掛かるのは間違いありません。
売買の場合、規模によっては数億~数十億、賃貸にしても契約金で少なくない費用が掛かってきます。
また、自社倉庫の場合には在庫管理や入出庫業務を行うための人件費が掛かるのは避けられません。
勿論、物流倉庫を利用した場合でもそういったサービスを受けるための費用は支払わなくてはなりませんが、倉庫管理のサービスを専門とする業者に一括して任せることによって、無駄なコストをかけず一元化することが可能です。
・業務効率化
自社で倉庫を用意する場合、どうしても発生するのが収容量の問題です。
在庫量が収容量を超えれば、倉庫内を整理しなくてはならなかったり、新たに倉庫を購入もしくは賃貸して移動をしなければならない状況になり、かなりの人手が取られてしまうこともあります。
倉庫の管理を専門で行っている物流倉庫であれば、そういった作業も効率的に行ってくれます。
また、多くの在庫品の管理を自社で行っている場合、お客様から発注を受けても作業に手間取って発送までに時間を要してしまうケースもあります。
倉庫管理が徹底されていれば、商品がなかなか見つからない、または商品が破損してしまった等のトラブルも回避することが出来ます。
つまり、発注から発送までをスムーズに行えるという利点があります。
・長期利用でなくても融通が利く
通常、倉庫物件を賃貸する場合には契約期間というものが存在します。
勿論、物流倉庫を借りる場合にもございますが、貸倉庫に比べて短期利用の融通が利くことが多いのは事実です。
【デメリット】
・逆にコストがかかることも
事業の立ち上げ直後など、そこまでの量の商品保管や管理の業務が無い場合、自社で
対応するよりもコストが高くつくことがあります。
また、自社で物流や倉庫内作業の人員が確保できる会社様の場合にも、委託をする方が費用的に高くなることがあります。
・物流のノウハウの蓄積が出来ない
業務をプロに委託をする為、自社内でのノウハウの蓄積は基本的には難しくなります。
将来的に自社倉庫での運用をお考えのお客様は、その部分を考慮に入れて頂いた方が賢明です。
3.物流倉庫の種類
ここまで「物流倉庫」の開設をしてまいりましたが、似通った意味合いの「物流センター」というものもございます。
広域的には同じ意味合いですが、「物流倉庫」は冒頭で解説したような、入庫から出庫までの工程の、品質管理・効率化する役割を担うことに対し、「物流センター」はお客様に届くまで工程を含み、その品質管理・効率化のための役割を担います。
代表的なものとして、大きく2種類の違いがあります。
DC(ディストリビューションセンター)
日本語では「在庫型物流センター」と呼ばれています。DCは荷物を入荷して保管し、必要に応じて出荷を行う物流センターです。保管の機能を持つのが特徴です。代表例としてはメーカーの在庫を保管する倉庫などが挙げられます。
TC(トランスファーセンター)
日本語では「通過型センター」と呼ばれています。主な役割や仕分けや積み替えといったクロスドッキングで、荷物の格納・保管などは基本的に行いません。入荷した荷物はすぐに仕分け作業を行い、次の納入先へ出荷します。
FC(フルフィルメントセンター)
日本語で表現するのは難しいですが、消費者が商品の注文をし、手元に届くまでの総合的な運営業務を「フルフィルメント」と呼びます。
具体的な内容として、消費者からの受注処理、商品の梱包・発送、在庫管理、代金請求や入金処理、クレームや問い合わせの対応、返品処理など多岐にわたります。
単純に言えば、これら一切を代行してくれるセンターの事を、フルフィルメントセンターと呼んでいます
4.このような場合は物流倉庫がおすすめ!
物流倉庫を利用するケースで有効的なのは、使用する期間が定まっていない場合、または物流や倉庫内作業での人員が確保しずらい状況、入庫から出庫までのスピードを求められるような場合などは、物流のプロに委託をすれば無駄なコストをかけず、スムーズに取引を進めることが可能になります。
是非一度、ご検討を頂ければと思います。